年間主題
聖句「私は道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」
ヨハネによる福音書14章4~6節
「わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。」
創世記9章13節
園長 藤崎 義宣
「新学期のスタートに」
さわやかな新緑の多摩川台公園の親子遠足も楽しく終わり、各学年クラスともに落ち着き、日々の保育の中で楽しさと元気が充実してきています。これからの展開が楽しみです。
6月になると梅雨が始まります。人間にとっては蒸し暑く、体調も崩しやすい嫌な季節ですが、植物たちにとっては恵みの雨、命を養い維持する命の水が天から滴ってくる時です。
雨上がりの空に虹がかかることがあります。虹は、天と地の架け橋、平和と和解のしるしですが、聖書では虹には特別な意味が込められています。それは旧約聖書のノアの箱舟の物語です。天地創造の後、地上には人が増え、大いに繁栄しましたが、欲望と力による英雄たちの時代となり、地上には人間による悪が満ち、人間の悪によって大地が汚れてしまいます。神は人間を造られたことを後悔し心を痛め、大洪水を起こして地上を天地創造のはじめに戻して新しく再創造しようとされます。この時に神は新しい人間のモデルとしてノアとその家族を 選びます。そして神はノアに命じて、三層建ての大きな箱舟をつくらせます。子どもたちはこの物語がとても好きです。小さな動物も大きな 動物も神様の呼びかけに応えて箱舟にやってきて箱舟に乗り込み、大洪水から救われ、洪水後の新しい世界の祖先となります。
この物語には大切な教えがいくつもあります。まず、どんな世界も永遠に続くわけではない。特に人間が自分の力や能力、技術や経済、権力で思い通りに欲望のまま世界を支配しても、その力によって限界を迎え、滅びてしまう。現代の世界も経済の豊かさを追求し、合理的な判断で人間の欲望を実現しようとすれば、無駄な人間、能力が劣っていると思われる人間、お金がかかり手間がかかる子どもたちを排除して、その結果、少子化が進み、世界が崩れてしまうという可能性もあります。ITとAI化が進んで人間がいなくなり、無人の巨大な工場の中でロボットが静かに製品だけを作り続ける、株式の投資AIだけが働き続けて使う人間が消えてしまった口座の残高だけが無限に増え続ける。想像するだけでも不気味です。
大きな世界が崩れ変化して危機の状態になっていく時に大切なことは、自分中心にふるまうのではなく、人と生き物を生かし、養い、世話をしていくことです。ノア個人ではなく、ノアとその家族が次の人類の祖先・モデルとなる。世界の再生は、人が子育てをして人を養い生かす家庭を守りより良いものにつくっていく、そのために動物たちは生き物と一緒に生き、それぞれの動物にあった世話をすることです。地球の中での人間という家族、地球という箱舟に乗り合わせていく生き物を知り、世話をし、生かして、共に生きる世界をつくっていく。そのような人が、次の時代、新しい世界をつくっていく人です。
雨で外に出られないときは、子どもたちと絵本や聖書の物語にいっしょに耳を傾けてみてください。雨降りの後の虹には、人類の救済の 物語が描かれています。
保育内容 | 今月の歌 |
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☆ 友だちや保育者と楽しく過ごす中で、少しずつ年長組になった喜び を実感しはじめる ☆ 心地良い環境の中で、のびのびと落ち着いて過ごす ☆ 様々な材料や用具に興味をもって関わり、試したり工夫したりして 遊ぶことを楽しむ ☆ 朝顔の世話を毎日する中で、その成長や変化に興味を持つ |
・ヤンチャリカ ・にじ |
保育内容 | 今月の歌 |
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☆ 好きな遊びをくり返し楽しみ、深める ・いろいろな友だちと関わり、心地良く過ごせるよう ・工夫して遊ぶことを楽しむ ☆ オクラの生長や虫の観察を楽しむ ☆ 天候に合わせた過ごし方を考えて遊ぶ |
・おはようクレヨン ・びわ |
保育内容 | 今月の歌 |
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☆ 友だちがすることに興味をもち、一緒に遊んだり過ごしたりすることを楽しむ ・友だちと一緒に過ごすことを嬉しく感じるとともに思い通りにならない経験もする ☆ 園生活に慣れ、簡単な身の回りのことを自分でしようとする |
・かたつむり ・ぼくのミックスジュース |
保育内容 | 今月の歌 |
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☆ 身近な大人に充分に受け止めてもらいながら、身の回りの遊びや環境に関わろうとする ☆ 梅雨の自然に触れ、季節を感じる |
・かえるのがっしょう ・いとまき |